FAQ: 業務に必要な作業系の用語
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陸揚げとは
◆ 陸揚げ(りくあげ)とは
陸揚げとは、海・川・湖に浮いている船を、陸上へ引き上げる作業全般を指します。
プレジャーボート・漁船・和船・アルミボート・水上バイクまで、すべての船で行われる基本作業の一つで、船のメンテナンス・保管・修理・処分・事故対応などで必ず必要になります。陸揚げは単なる「船を陸に引き上げる作業」ではなく、
船体やエンジン・船外機を傷つけないように高度な技術が求められ、
機材・人手・地形の条件が揃わないと実行できません。業者の力量によって仕上がりの安全性が大きく変わるため、
船の買取・移動・処分の現場で非常に重要な工程となります。◆ 陸揚げが必要になる主なケース
陸揚げは次のような場面で行われます。
● 売却・買取のための引き上げ
● 放置艇を片付けるため
● 船底塗装(船底ペイント)作業時
● 船外機・船内機の修理・交換
● 台風・災害時の退避
● マリーナ保管へ移動するため
● 沈没・浸水した船の引き上げ
● トレーラーに載せて運搬するため船の状態(不動・沈没・腐食)によって、
必要な機材や難易度が大きく変わります。◆ 陸揚げの主な方法
陸揚げは、船のサイズ・重量・保管場所に応じて手法を選びます。
✔ ① スロープ陸揚げ(軽整備用スロープ)
マリーナや漁港にある傾斜したスロープを使い、
牽引車+ウインチで陸に上げる方法。-
小型ボート
-
アルミ船
-
ゴムボート
-
水上バイク
などで最も一般的です。
✔ ② ユニック車(クレーン車)での吊り上げ
港や河川敷・マリーナなどでよく使われる方法。
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不動船
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放置艇
-
トレーラー不可の大型船
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通常の陸揚げ不可の場所
で活躍し、最も作業依頼が多いタイプです。
✔ ③ 大型クレーン・ラフタークレーン使用
大型クルーザー・漁船や重量がある船で必要になる方法。
特に船の重量が多い場合や、
高所・狭い場所への吊り作業では大型機材が必須になります。✔ ④ 浮き桟橋・台船を利用した特殊陸揚げ
沈没船・浸水船・水深の浅い場所などで行われる特殊作業。
台船・ポンプ・フロートを組み合わせながら慎重に引き上げます。
◆ 陸揚げが難しくなる主な理由
現場でトラブルが多いのは次のケースです。
● 船が重すぎてスロープから上がらない
● 船外機がロックして動かない
● 船底腐食で吊りポイントが危険
● 砂地・泥地で牽引車が入れない
● 周辺に電線・障害物が多い
● 道路幅が狭くユニック車が接近できない
● 船が沈んでいて引き上げ角度が取れない陸揚げの難易度は「船の状態 × 現場の条件」で大きく変わります。
◆ 陸揚げを安全に行うためのポイント
正しい陸揚げには経験と設備が不可欠です。
● 船体の重心位置を理解した吊り上げ
● 吊りベルトの位置取り(トランサム付近は要注意)
● 船外機を外して軽量化する判断
● 段取り(進入ルート・車両配置)の確認
● 船底・ガンネルの保護材使用
● GB値に応じたクレーン車選定特に不動船・沈没船は構造強度が落ちているため、
経験不足の業者では船を破損させるリスクが高まります。◆ 陸揚げのまとめ
陸揚げとは、船を水上から陸上へ引き上げる作業のことで、
保管・整備・売却・修理・処分のあらゆる場面に必要な基本作業です。船の状態・重量・現場条件により、
● スロープ
● ユニック車
● 大型クレーン
● 特殊台船
など手法を使い分ける必要があります。陸揚げの難易度は高く、
"船を壊さず安全に引き上げる技術力" が求められる重要な専門作業です。 -
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引き上げ作業とは
◆ 引き上げ作業(ひきあげさぎょう)とは
引き上げ作業とは、水上または水辺にある船を、陸上へ移動させるために行う「船体の移動・吊り上げ・牽引などの一連の作業」を指します。
似た言葉として「陸揚げ」がありますが、
引き上げ=船を水から上げる"工程そのもの"
陸揚げ=引き上げ後、陸上に移すことまで含む作業全体
という違いがあります。特に不動船・沈没船・浸水船・放置艇などでは、
"引き上げ作業そのものの難易度" が極めて高く、
専門知識と専用機材が必須となります。◆ 引き上げ作業が必要になるケース
引き上げ作業は、船を"動かすことができない状況"で必ず発生します。
● 船が動かなくなった(不動船)
● 放置艇の撤去
● 沈没船の引き上げ
● 浸水して航行不能
● 船外機・船内機の故障
● 船底破損・浸水の危険
● マリーナや港からの撤去命令
● 台風や強風による座礁
● 河川・湖での転覆事故「船の状態 × 位置 × 重量」の組み合わせによって難易度は大きく変わります。
◆ 引き上げ作業の主な方法
船の大きさ・船底状況・水深・地形によって手法を選択します。
✔ ① ウインチ車での引き上げ
岸に近い浅瀬・スロープ・砂地などで使用。
不動船の軽度ケースで最も一般的。-
小型ボート
-
アルミ船
-
ゴムボート
-
水上バイク
に適しています。
✔ ② ユニック車・クレーン車での吊り上げ
港・河川敷・マリーナ・私有地などで使う本格的な方法。
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船が重い
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近くに車両が入れる
-
船が深場にある
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スロープが使えない
などで必須となる手法です。
✔ ③ 大型クレーン・ラフタークレーン使用
大型クルーザーや漁船など重量物に対応。
深い場所・障害物が多い場所では大型車両が必要になります。✔ ④ 沈没船・浸水船の特殊引き上げ
水中ポンプ・フロート(浮具)・台船などを使用する複合作業。
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船体が沈んでいる
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船が半分沈んでいる
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水深が深い
-
船体内部に泥が大量に入っている
このような場合、引き上げの難易度が一気に上がります。
◆ 引き上げ作業を難しくする要因
現場で最も多い"難しい理由"は次のとおりです。
● 船が重すぎる
● 水中で泥に沈んでいる
● 船体に穴が空き水が大量に入っている
● 船外機がロックしている
● クレーン車・ユニック車が近づけない
● 電線・樹木・建物で吊り上げ角度が取れない
● 波が高い・潮位が合わない
● スロープが浅すぎる/深すぎる1つでも当てはまると作業が複雑になり、
複数当てはまると特殊引き上げ案件になります。◆ 引き上げ作業に必要な機材例
船の状態に応じて次のような機材を使用します。
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電動ウインチ
-
油圧ウインチ
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ユニック車(小型〜大型クレーン)
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ラフタークレーン
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チェーンスリング
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吊りベルト・サルカン
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水中ポンプ(沈没船用)
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台船・フロート
-
トレーラー(移動用)
「機材の選び方=作業の安全性」に直結します。
◆ 引き上げ作業のリスク
引き上げは高度な作業であり、次の危険を伴います。
● 船体破損(トランサム割れ・ハル割れ)
● 船外機の落下
● 吊りポイントの破壊
● ワイヤー切断・倒壊事故
● 陸上の建物・車両の損傷
● 作業者の転倒・挟まれ事故特に沈没船・腐食船は「船体強度が失われている」ため、
吊り上げの位置取りや補強が極めて重要です。◆ 引き上げ作業まとめ
引き上げ作業とは、動かない船・沈んだ船・撤去が必要な船を、
水上から陸上へ移動するための"船舶移動の核心作業"です。船の状態(不動・沈没・浸水)や現場条件(深さ・地形・障害物)により、
● ウインチ
● ユニック車
● 大型クレーン
● 特殊機材
を使い分け、安全性と確実性が求められます。専門技術がなければ船を破損させてしまうため、
経験豊富な業者による作業が必須となる工程です。 -
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回送とは
◆ 回送(かいそう)とは
回送とは、船を使用者・オーナーとは別の担当者が、別の場所へ移動させる作業のこと を指します。
一般的には「ボートの移動」「船の搬送」「運搬」といった言葉で説明されることもありますが、
正確には "目的地まで船を動かすために行う業務用の移動作業" です。回送の対象はプレジャーボート・漁船・和船・アルミボート・水上バイクまで幅広く、
マリーナ間の移動・修理工場への移動・売却前の移動など、
船の売買・処分・整備において必ず登場する専門作業です。◆ 「回送」が必要になる主な場面
回送は"船を別の場所へ運ぶ必要がある"場面で必ず発生します。
● 1. 売却・買取のための移動
査定場所・保管場所まで船を移動する必要がある場合。
● 2. 船検(JCI)のための移動
船検場所やマリーナへ回送するケース。
● 3. 整備工場・修理工場への移動
船外機・船内機の修理やメンテナンス時に行う。
● 4. マリーナ移動
保管場所変更・新しいマリーナ契約・撤去命令が出た時など。
● 5. 引取り・処分のための移動
不動船・放置艇・沈没船など、現地からの移動が必要な場合。
● 6. 災害・台風前の退避
安全な場所へ船を避難させるため。
"動く船"も"動かない船"も、状況によっては回送作業が必要になります。
◆ 回送の種類
回送には大きく2つのタイプがあります。
✔ ① 自走回送(船を自力で動かす回送)
船外機・船内機が動く場合に行う方法。
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航行可能
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燃料が残っている
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船の状態が良い
という船で行われ、最もシンプルな回送です。
ただし、船を動かすためには
● 操船免許
● 保険
● 天候判断
など専門知識が必要です。✔ ② 陸送回送(陸上から運ぶ回送)
船が動かない・遠距離・河川から海へなどの場合に必須。
主な方法:
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トレーラーで牽引
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大型トラックで積載
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クレーン+トラックの複合回送
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水上→陸上→別マリーナの複合移動
不動船・沈没船・浸水船など"自走できない船"の回送はほぼ陸送です。
◆ 回送が難しくなる主な理由
現場でトラブルになる理由には次が多いです。
● 船外機が動かない
● 船底に貝が大量付着 → 走行不可
● 燃料漏れ・電源不良
● 遠距離での海上回送は天候リスク大
● トレーラーが車検切れ
● 再上架にクレーンが必要
● 海から川へ移動できない地形回送は「船の状態 × 地形 × 距離」で難易度が決まります。
◆ 回送の料金に影響する要素
回送費は次の条件で大きく変わります。
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船のサイズ・重量
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自走か陸送か
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クレーン作業の有無
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移動距離(マリーナ間・府県間)
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上架・下架の必要性
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船の状態(不動・腐食・沈没)
特に不動船は、
引き上げ → 陸送 → 再上架
と工程が増えるため費用がかかります。◆ 回送のまとめ
回送とは、船をオーナー以外の担当者が別の場所へ移動させる専門作業で、
売却・修理・保管移動・撤去など船のライフサイクル全般で必要となります。● 動く船は"自走回送"
● 動かない船は"陸送回送"
● 大型船・沈没船は特殊回送が必要という形で、船の状態や場所によって方法が変わります。
船舶回送は"ただ動かすだけ"ではなく、
安全性・天候・船体保護など高度な判断が求められる重要作業です。 -
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搬出作業とは
◆ 搬出作業(はんしゅつさぎょう)とは
搬出作業とは、保管場所・マリーナ・港・私有地などにある船を、現地から外へ出し運び出す作業のことを指します。
船の買取・撤去・処分・マリーナ退去などで必ず発生する工程で、
「その場所から船を出すところまで」が搬出作業に該当します。陸揚げ・引き上げ・積載・移動など、複数の作業が組み合わさる場合も多く、
特に不動船・沈没船・車検切れトレーラー付きの船では難易度が高くなるのが特徴です。◆ 搬出作業が必要になる主な場面
搬出作業は"その場所から船を動かせない状態"で発生します。
● 放置艇の撤去
● マリーナからの強制移動・退去
● 不動船を別場所へ移す
● 引取り・買取のための現地搬出
● 船が動かず陸送が必要
● 船台・トレーラーごとの撤去
● 河川・湖での撤去命令特に、
マリーナ・港・個人宅の隅で何年も放置されている船
は搬出難易度が高いことが多いです。◆ 搬出作業の主な工程
搬出には複数の工程が組み合わさります。状況により内容は変動します。
✔ ① 船体の事前確認
腐食・穴あき・浸水・船底付着物などを確認し、
吊り上げ位置・積載方法を決定します。✔ ② 上架(陸揚げ)作業
● ウインチ引き上げ
● スロープ利用
● ユニック車吊り上げ
● 大型クレーンなどで船を水から陸へ上げます。
✔ ③ 陸上での位置調整
・船台への載せ替え
・トレーラーに積み替え
・クレーンでの再調整船体保護のためのパッドやベルト選定も重要です。
✔ ④ 積載・固定
トラック・トレーラーへ舟体を載せ、
● ラッシング(固定)
● バランス調整
● 船外機の角度調整
など安全確保のための作業を行います。✔ ⑤ 現地からの搬出
現地から道路まで移動し、その後運搬車両に引き継ぎます。
狭い港や個人宅などでは、内輪差・傾斜・障害物の確認が必須。◆ 搬出作業が難しくなる主な理由
現場で特に多い搬出困難の理由は以下です。
● 船が大きく重量がある
● 船底腐食で吊りポイントが弱い
● トレーラーが車検切れで動かない
● 保管スペースが極端に狭い
● 近くにユニック車が入れない
● 電線・建物・樹木が障害になる
● 船の横に車両が接近できない
● 船が沈んでいる/浸水している1つでも当てはまると作業が複雑になり、
複数重なると 特殊搬出扱い になります。◆ 搬出作業に使われる主な機材
船の状態・現場条件に応じて次の機材を使い分けます。
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ユニック車(小型〜大型)
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ラフタークレーン
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電動ウインチ
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牽引車
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船台(ドーリー)
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トレーラー
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吊りベルト・チェーンスリング
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ジャッキ・船体保護材
-
水中ポンプ(浸水船用)
「船に負担をかけずに出す」ための機材選定が重要です。
◆ 搬出作業の安全ポイント
搬出は周囲や船体にダメージを与えやすいため、
以下の点を必ず確認する必要があります。● 重量バランスの把握
● クレーンの作業範囲
● 船体破損の防止(トランサム付近は特に注意)
● 船外機の固定
● 劣化した船体の補強
● 周囲の安全確保(歩行者・車両)不動船・沈没船の場合、船体強度が低下しているため特に慎重な作業が必要です。
◆ 搬出作業まとめ
搬出作業とは、その場所に置かれている船を外へ出すための一連のプロ作業で、
陸揚げ・引き上げ・積載・運搬準備など複数工程が組み合わさる重要な作業です。船の状態(不動・浸水・腐食)と保管場所の条件(狭い・重機が入らない)により、
難易度が大きく変わるため、経験豊富な業者の対応が欠かせません。 -
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解体作業とは
◆ 解体作業(かいたいさぎょう)とは
解体作業とは、船体を物理的に分解し、運搬・処分・素材分別ができる状態にする作業のこと を指します。
船舶の構造は、FRP(繊維強化プラスチック)、アルミ、鉄、木材、ステンレス、船外機部品など複数の素材で構成されており、それぞれを安全に切断・分離していく専門性の高い工程です。修理不能な不動船・沈没船・老朽船・放置艇などで必要になる場合が多く、
特に FRP船は通常の燃えるゴミとして処分できないため、専門の解体工程が必須 となります。◆ 解体作業が必要になる主なケース
解体は「船として再利用が難しい」場合に行われます。
● 船体の腐食・破損が激しい
● 船底に穴が複数開いている
● 沈没・浸水による構造劣化
● FRP劣化で強度がない
● 相続したが放置され長年劣化
● 修理費が船の価値を超える
● 船外機も動作せず価値がない
● マリーナから撤去命令を受けた
● 保管スペースから船を出せず現地解体が必要放置期間が長い船ほど、解体以外の選択肢がなくなるケースが多く見られます。
◆ 解体作業の主な工程
解体は安全に行うために、いくつかの専門工程に分かれます。
✔ ① 船体の状態確認
船底・フレーム・デッキ・トランサムなどの劣化状況を確認し、
切断ポイント・安全対策を決定します。✔ ② 装備品・金属部品の取り外し
燃料タンク・配線・ウインチ・金具・ステンレス部材などを外し、
素材ごとに分別します。✔ ③ 船外機の取り外し
船外機は重量があり危険なため、
専用機材・吊り具を使って取り外します。✔ ④ 船体カット(FRP切断)
FRP製船の場合、
● デッキ
● 船底
● ガンネル
● トランサム
などを電動カッター・ディスクグラインダーなどで切断します。切断後は、運搬しやすいサイズに分割します。
✔ ⑤ 陸上への移動と積載
切断した船体をトラックやコンテナへ載せる工程。
劣化船体は崩れやすいため慎重な積載が必要です。◆ 解体作業が難しくなる理由
現場で特に難易度が上がる理由は次の通りです。
● 船の劣化が激しく持ち上げると割れる
● 陸路が狭く重機やトラックが入れない
● 船底に大量の泥・海水が残っている
● 船台・トレーラーが動かない
● 船が沈没したまま引き上げが必要
● 民家密集地・漁港で騒音制限がある船の状態だけでなく、周囲の環境も作業難易度に直結します。
◆ 解体作業後の処理
通常、解体した船体は
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金属
-
FRP
-
木材
-
廃プラ
などに分別され、それぞれ専門ルートで処理されます。
◆ サンガでの扱い(重要ポイントのみ)
サンガの方針として:
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国内での船体解体・廃棄処理は行っていません。
-
産廃処理やFRP処理の証明書・マニフェストの発行も行いません。
ただし、
✔ 船外機のみの買取
✔ 船体ごと海外輸出可能なケース
✔ 修理して海外再利用できる船の買取など、解体ではなく再利用ルートで対応できるケースが多い のが特徴です。
◆ 解体作業まとめ
解体作業とは、船体を分解し処理可能な状態にする専門作業で、
老朽化・破損・腐食・沈没などで船として再利用できない場合に必要となります。しかしサンガの場合は、
"解体ではなく再利用(海外輸出)できるかどうか" を優先して判断します。 -
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廃船処理とは
◆ 廃船処理(はいせんしょり)とは
廃船処理とは、老朽化・破損・浸水・沈没などによって船としての再利用が困難になった船を、最終的に解体・処分するための正式なプロセスを指します。
船は家屋や家具とは異なり、
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FRP(繊維強化プラスチック)
-
アルミ
-
鉄
-
木材
-
電装系
-
船外機・エンジン部品
など複数の素材で構成されており、それぞれを分解・分別して処理する必要があるため、
廃船処理は非常に専門性が高く、工程と費用も複雑になります。
◆ 廃船処理が必要になる主なケース
次のような状況にある船は、廃船が必要となることが多いです。
● 船体の破損・腐食が激しい
● 船底に穴が開いている
● 放置艇になり、航行不能
● 船検切れ+書類なしで復活不可
● 台風被害で大破
● エンジンが完全に故障
● 保管費の負担が重く、維持困難
● マリーナから撤去指示が出ている
● 相続後、誰も管理していない船は「置いておくだけ」でも保管料・撤去命令・環境問題につながるため、最終的に廃船処理が必要になります。
◆ 廃船処理の基本工程
廃船処理は、大きく以下のステップで行われます。
✔ ① 船体の引き上げ(必要に応じて)
不動船・沈没船・放置艇は、
● スロープ
● ウインチ
● クレーン
などで陸上へ引き上げる必要があります。✔ ② 船体の解体
FRP船の場合、船体を
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デッキ
-
船底
-
トランサム
-
ガンネル
などに切断して分割します。
アルミ船・鉄船は、切断後に金属として仕分け。
✔ ③ 部品の取り外し・分別
以下のような部品を外して素材ごとに分別します。
● 船外機
● バッテリー
● 電装品
● ステンレス金具
● ウインチ
● 燃料タンク
● 木材・内装品✔ ④ 産業廃棄物としての処理
FRP船体は燃やせない素材であるため、
最終的には産業廃棄物として処理場へ搬入されます。※この工程は「国内産廃業者」のみが行える部分です。
✔ ⑤ 搬出・運搬
切断した船体をトラックへ積み込み、
最終処理場へ運搬します。◆ 廃船処理が高額になりやすい理由
廃船費用が高い背景には、次の要素があります。
● FRPを燃やせない → 専門処理が必要
● 船体が大きく重量がある
● 解体作業に人手が必要
● 引き上げにクレーン車が必要
● マリーナや港での作業制限
● 産廃としての運搬費一般的なFRP船の廃船費用は
数万円〜数十万円
状態によってはさらに高額になることもあります。◆ サンガでの扱い(重要:誤解防止)
サンガでは、船の最終処分である 国内での廃船処理(解体・産廃処理)そのものは行っていません。
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FRP船の解体
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産廃施設への搬入
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マニフェスト(産廃管理票)の発行
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廃棄証明書の発行
これらは「産業廃棄物処理業者」の仕事であり、サンガの業務範囲には含まれません。
ただしサンガは、
✔ 船外機の買取
✔ 船体ごと海外輸出(再利用)の可能性
✔ 修理して海外で使うルート
✔ 部品取りとしての価値など "廃船にする前の選択肢" を提供しています。
そのため、
「廃船だと思っていた船が買取になる」
というケースが非常に多いのが特徴です。◆ 廃船処理まとめ
廃船処理とは、船を最終的に解体・分別・処分する専門作業で、
劣化・破損・放置・書類なしなどで再利用が困難な船に必要となる工程です。サンガでは
✔ 国内での廃船処理は行わない
✔ 廃船前に"再利用ルート"を優先的に提案
✔ 船外機や部品だけでも買取可能
✔ 海外輸出ルートで船を再活用という形で、廃船以外の選択肢を提供しています。
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船のリサイクルとは
◆ 船のリサイクルとは
船のリサイクルとは、使用しなくなった船(老朽船・放置艇・不動船など)を、廃棄ではなく"再利用できる形"に循環させること を指します。
リサイクルには「素材として再資源化するリサイクル」と、「船や部品を再使用するリユース」の2つの概念があります。近年では、環境保護・コスト削減・海の放置艇問題の対策として、
「船を捨てるのではなく、使える部分を最大限活用する」
という考え方が重要視されています。◆ 船のリサイクルに含まれる3つの方法
船のリサイクルは大きく以下の3つに分類されます。
● ① リユース(再使用)
船本体・船外機・部品を そのまま再利用する 方法。
環境負荷が最も少ない「第一のリサイクル」。例:
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船外機を修理して再販
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船体を海外で再利用
-
部品取りで別の船に活用
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トレーラーの再利用
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魚探・装備を別の船へ移設
サンガが最も得意とする方式がこのリユースで、海外輸出による再利用が中心です。
● ② リビルド(修理・再生)
壊れた部分を修理し、再利用できる状態まで復活させる方法。
例:
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船外機OH(オーバーホール)
-
船体の補修
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電装品の交換
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デッキの張り替え
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塗装・クリーニング
修理が可能であれば、廃船よりもコストが安く済むことが多く、海外市場での需要も高いです。
● ③ マテリアルリサイクル(素材として再資源化)
船体を解体・破砕し、素材としてリサイクルする方法。
例:
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アルミ船 → アルミ材料として再利用
-
ステンレス・鉄 → 金属資源として再利用
-
木製パーツ → 木材・再生燃料などへ
-
FRP船 → 破砕後コンクリート骨材など(地域により可否)
FRP船はリサイクルが難しく、最終的には産廃として処理されるケースが多いです。
※この工程は「国内産廃業者のみ」が行う作業です。
◆ 船のどの部分がリサイクルできる?
リユース・リサイクルできる代表的な部位は以下のとおりです。
● 船外機(最も需要が高い)
HONDA・YAMAHA・SUZUKI・TOHATSU など海外需要が大きい。
● 船体本体(海外で修理可能なもの)
アルミ船・漁船・バスボートは再利用価値が高い。
● トレーラー
車検切れでも需要あり。
● 金属部品(ステンレス・アルミ)
レール・手すり・ヒンジなど。
● 電装品
GPS魚探・バッテリースイッチ・配線など。
● ウインチやアンカー類
壊れていても「部品取り」として価値が残る ことが多いのが船の特徴です。
◆ 船のリサイクルが重要視される理由
船をリサイクルすることは、次の理由から非常に重要です。
● 放置艇の増加問題
● 海洋環境(油・燃料・FRP)の汚染防止
● 解体費用の高騰
● 再資源化による環境負荷削減
● 良質部品の再利用で資源節約
● 漁村・マリーナの景観保全
● 海外の中古需要の高さ「捨てる」より、「使う」ほうがメリットが大きいのです。
◆ サンガにおける"船のリサイクル"の考え方
サンガでは、国内での解体・産廃処分は行いません。
その代わりに、次のような 再利用(リユース)型リサイクル を強みとしています。✔ ① 修理可能な船は海外へ輸出
海外市場では、
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古い船
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腐食気味の船
-
書類なしの船
でも修理して長く使われるため需要が非常に高い。
✔ ② 船外機・部品取りを中心に再利用
動かない船でも、船外機や部品は価値があります。
✔ ③ 買取後に整備して再流通
サンガで整備 → 海外へ再生出荷するケースは多数。
✔ ④ "廃船にする前の選択肢"を提案
廃船=高額
再利用=負担軽減・買取になる可能性あり◆ 船のリサイクルまとめ
船のリサイクルとは、船を解体・分解して資源化したり、船外機・船体・部品を再利用することで、廃船を最小限にする取り組みです。
サンガは
✔ 国内での廃船処理そのものは行わない
✔ 海外輸出・部品再利用など"リユース型リサイクル"が得意
✔ 廃船にせず価値を活かす方向で対応という特徴があり、
「廃棄ではなく再利用へ」
という新しいライフサイクルを提供しています。 -
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FRPリサイクルとは
◆ FRPリサイクルとは
FRPリサイクルとは、FRP(繊維強化プラスチック)で作られた船体を、解体・破砕し、リサイクルまたは適正処理する仕組み全体 を指します。
FRPは軽量で強度が高く、プレジャーボートの主流素材ですが、
"燃やせない・埋め立てると長期残存してしまう" という性質があるため、通常の廃棄では対応ができません。この課題を解決するために、日本では 「FRP船リサイクルシステム」(通称:FRPリサイクル法)」 が整備されています。
◆ FRPとはどんな素材?(簡易理解)
FRP=Fiber Reinforced Plastic(繊維強化プラスチック)
ガラス繊維(GF)を樹脂で固めた素材で、● 軽い
● 丈夫
● 錆びない
● 加工しやすいという利点から、小型船舶の多くに使用されています。
しかし、
耐久性が高すぎるため"廃棄しにくい"素材 であることが大きな問題。
これがFRPリサイクル制度が作られた大きな理由です。◆ FRP船リサイクル法(FRP船リサイクルシステム)とは
FRP船リサイクル法とは、正式には 「FRP船リサイクルシステム」 と呼ばれる日本独自の制度で、
老朽化したFRP船の最終処分(解体・破砕・適正処理)を、全国統一の仕組みで行うための制度
のことです。
実際には"法律"というより
国(国交省)+日本マリン事業協会(JMIA)+産廃業者
が連携した 船版のリサイクル制度 です。【制度の目的】
-
不法投棄・放置艇の防止
-
FRP船の適正な最終処分
-
環境汚染の防止
-
全国で統一された廃船処理の流れを確立
◆ FRP船リサイクルの流れ(制度上)
制度に沿った FRP船リサイクルは次の流れで行われます。
✔ ① 所有者が「FRP船リサイクルセンター」に申込み
船の種類・サイズ・所在情報を登録します。
✔ ② 解体業者・処理業者の割当
地域の指定業者が割り当てられます。
✔ ③ 引き上げ(必要に応じて)
不動船や放置艇は陸揚げが必要。
✔ ④ 船体解体(砕断)
FRP船体を切断し、産業廃棄物としてサイズ分割します。
✔ ⑤ 破砕・焼却・骨材化
地域によって異なりますが、
● 破砕してセメント原料
● 破砕して埋立(最終処分)
● 焼却炉の燃料補助材として使用などが行われます。
✔ ⑥ 処理完了証の発行
必要に応じて産廃マニフェストが発行されます。
◆ なぜFRP船のリサイクルは難しいのか?
● FRPは燃やせない
耐熱性が高く焼却処理が難しい。
● 分解しづらく素材回収が困難
ガラス繊維と樹脂が一体化しているため、金属のように分離再資源化が簡単ではない。
● 処理コストが高い
解体・破砕・運搬の工程が複数必要。
● 船は重量物
人件費・機材費がかかり、廃船費用が高騰しやすい。
◆ FRPリサイクルと"リユース"の違い
FRP船リサイクル=最終手段(国内の解体・処分)
リユース=船体・船外機・部品を再使用(国内外)FRPリサイクルは
● 船として復活できない
● 修理コストが価値を上回る
● 劣化・腐食が激しい
などの"最終段階"で行われます。◆ サンガの立ち位置(重要:誤解なく)
サンガは 国内でのFRP船リサイクル(解体・破砕・産廃処理)には関与しません。
以下は行いません:-
FRP船の国内解体
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産廃マニフェスト発行
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FRPの最終処分
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国内処理場への搬入
これは 専門の産廃業者のみが行える工程 です。
◆ サンガが行う「FRPリサイクル的な取り組み」
サンガが得意とするのは "リサイクルの前段階=リユースによる循環" です。
✔ ① FRP船そのものを海外で再利用
海外では
・補修して再利用
・部品取り
・漁船用途
として高需要。✔ ② 船外機だけ取り外して買取
FRP船が劣化していても、
船外機は価値が高くリサイクル(再使用)されます。✔ ③ 部品取り(電装品・金具類)
FRP船体がダメでも、部品は活かせる場合が多い。
✔ ④ 「廃船だと思っていた船」が買取になるケース
日本で不要でも、海外では修理して長く使われるため、
廃棄ではなく循環(リサイクル)につながる のがサンガの強みです。◆ FRPリサイクルまとめ
FRPリサイクルとは、FRP船を解体・破砕し、最終的に処分・再資源化する仕組みで、
日本では 「FRP船リサイクルシステム(FRPリサイクル法)」 により運営されています。● FRPは燃やせず、処理が難しい素材
● そのため廃船費用は高額になりやすい
● 国内FRP処分は専門業者が担当サンガは
✔ 国内でのFRP廃船処理には対応しない
✔ 海外再利用・部品取リユースを中心に対応
✔ 廃船前の"価値の活用"を提案というスタンスで、廃棄ではなく循環につなげるリサイクル的アプローチを行っています。
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